卒業式に袴を着たい! 決めるタイミングはいつがベスト?
華やかでありながら厳かな雰囲気が漂う袴姿。ハレの日には袴を着用したい!と、憧れている方もいるのではないでしょうか。
卒業式に袴で出席したいと思ったら、いつ頃決めたらいいの?
本記事では、レンタル袴をいつ検討・申し込みすべきか、そもそも袴とは何か、
なぜ卒業式に着るのかなどについて紹介します。
【決めるタイミングはいつがいい?】
卒業式の袴を決めるベストタイミングは、卒業年度の5~6月。
受験勉強も本格化する前ということで、じっくり検討した上で好きな袴を選べるため、
おすすめの時期です。
袴は卒業シーズンの3月に一斉にレンタルされます。
卒業式の日程も近いことが多いため、
間近になってからでは好みの袴が選べないことも…。
ほとんどの方が卒業年度(高校3年生、大学4年生)になってから、袴を検討し始めます。
レンタル予約は8~9月頃に最初のピークを迎え、その後は徐々に増加します。
年明け以降は混み合う上、受験で多忙のため慌ただしくなりがちです。
袴レンタルの検討・申し込みは、余裕のある早い時期、
「卒業年度の5月」には動き出しましょう!
【そもそも袴って?】
現代では卒業式以外で見かけることの少ない袴。
そもそも袴とはどういったもので、どんな歴史があるのでしょうか?
●袴とは
袴とは着物の一種で、腰から下を覆うゆるやかな衣服です。
卒業式の袴姿は振袖と袴を組み合わせたスタイルで、
「袴」は下半身の着物のみを指します。
●袴の種類
袴には大きく分けて2種あります。
○馬乗袴(うまのりばかま)
股が分かれている、ズボンやキュロットスカートのような袴。
馬に跨りやすいよう、裾部分の広がりを抑えて足さばきをよくしたデザインです。
武士や侍を中心に普及し、現在でも剣道などの武道で使用するのはこの馬乗袴。
主に男性が着用する袴で、現代の礼装としても使用されています。
2、行灯袴(あんどんばかま)
馬乗袴のように中に仕切りがない、ロングスカートのような形状の袴。
女袴とも呼ばれます。
明治時代に女学生の制服として開発された、比較的新しい袴です。
スカートのような見た目どおりの履き心地で、お手洗いの際も馬乗袴より便利。
現代女性が和の正装として着用する袴のイメージは、この行灯袴です。
●袴の歴史
袴はいつから存在し、どんな歴史があるのでしょうか?
○古墳時代
袴の歴史は古く、なんと古墳時代にはすでに原型がありました。
○奈良・平安時代
宮廷に仕える身分の高い女性のみが
「十二単(じゅうにひとえ)」の一部として袴を着用していました。
十二単というときらびやかな上半身に注目しがちですが、
下半身の着物は長い袴です。
○平安時代末期から江戸時代末期
武家社会では、武士の礼服として袴が着用されていました。
江戸時代に女性は袴を禁じられ、宮廷の女官のみが袴姿を許されていました。
○明治時代
女子教育が盛んになり、東京女子師範学校(現在のお茶の水女子大学)などが次々に創設されます。 椅子に座って勉強する際、着物に帯では着崩れやすく不便ということで、政府が女学生に袴を着用させました。 その後、袴着用が禁止されたり和装に戻ったりと紆余曲折を経て、明治30年頃から女学生の制服としてスカート型の「行灯袴」が普及。 上流階級の女学校から、徐々に一般の学校の制服にも採用されていきました。 この頃の女学生ファッションのトレンドは、 ・袴:海老茶色(紫がかった濃い赤茶色)の行灯袴 ・足元:革靴 ・ヘアスタイル:額の髪を前に突き出すように結った庇髪(ひさしがみ) ・ヘアアクセサリー:大きなリボン で、いわゆる「はいからさん」スタイルが流行。「女学生=袴」のファッションが確立しました。 ※「ハイカラ」とは「hign collar(丈の高い襟)」の略で、目新しく洗練されている様子のこと。 明治時代、西洋文化を好むしゃれた人々がハイカラーのシャツを着ていたのが由来とされます。 袴姿でさっそうと歩き、自転車に乗って学校に通う女性は、当時のファッションリーダー。 袴の腰紐を高い位置にするなど、個々におしゃれの工夫も凝らしていたようです。 ○大正時代・昭和 洋装が増え、女学校の制服も袴からセーラー服やジャンパースカートへ変わっていきました。 この後、袴を日常的に着用することはほとんどなくなります。